こんにちは、「看護文献ナビ」運営者です✨
「調査方法って、種類が多すぎて迷う…。」って思ってませんか?
今回は、看護研究でよく使われる「調査方法の種類」について、初めて学ぶ方にもわかりやすくまとめてみました。
調査方法は、ただの“手段”ではなく、
研究テーマや目的に深く関わる設計図のようなものです。
「どんなことを、どうやって調べるか?」によって
- 得られる結果の内容も変わりますし、
- 倫理審査が必要かどうかにも大きく関わってきます。
つまり、調査方法をどう選ぶかは、研究全体の成否や進行スケジュールにまで関係する大事な選択なんです。

えー、調査方法ってそんなに大切なものだったんだ!
ちゃんとここで慎重に決めないと、看護研究がうまく実施できないかも…。
調査方法について教えて〜!!!
調査方法ってなに?
看護研究では、「テーマに合った方法で情報を集めて、まとめる」ことがとても大切です。
この「情報の集め方」のことを調査方法と呼びます。
主な調査方法の種類と特徴
① 質的研究(インタビュー・観察など)
- 特徴:言葉・経験・感情などの“質的データ”を扱う
- 目的:相手の経験・気持ち・意味づけを深く理解する
- 例:がん患者の退院後の生活について、本人への面接調査
✨言葉にならない想いや、現場の“リアル”を深掘りできるのが強み
② 量的研究(アンケート・測定など)
- 特徴:数値や割合など“量的データ”を扱う
- 目的:因果関係や傾向を統計的に明らかにする
- 例:ストレスレベルと睡眠時間の関係性を調査
✨ 数値で比較できるため、説得力があるデータが得られる
③ 文献研究(レビュー型)
- 特徴:過去の論文や研究を集めて整理・分析する
- 目的:テーマに関する研究の全体像をつかむ
- 例:「高齢者の看取りケア」に関する文献を調査・整理
✨ 調査対象がいないときや、先行研究を土台にしたいときにおすすめ
調査方法を選ぶときのポイント
- 自分のテーマに合っているか?
- 実施可能なスケジュール・環境か?
- 倫理審査が必要な内容か?
迷ったときは、先行研究で使われていた方法を参考にするのも◎
調査方法ごとの「倫理的配慮が必要なケース」
調査方法を選ぶときには、「倫理審査が必要かどうか」も同時に考えることが大切です。
以下に、よくある調査方法ごとに、倫理的配慮が必要になりやすいケースをまとめました。
※研究倫理については、こちらの記事で説明してます🕊️

🗣 質的研究(インタビュー・観察など)
特に注意が必要な場面:
- 実習や業務中に患者さん・利用者さんに話を聞くとき
- 病室や施設内での行動を観察する場合
- 調査対象が、認知機能の低下や精神的不安定を伴う方である場合
内容によっては本人の同意だけでなく、家族・代理人からの同意が必要になることもあります。
📊 量的研究(アンケート・測定など)
特に注意が必要な場面:
- 実名や職場・学校が特定されるような項目を含むアンケート
- メンタルヘルスや家族関係など、プライベートな内容に関する質問
- 健康状態や生活習慣に関する継続的な記録・測定
匿名性の担保、心理的負担の軽減、自由記述の扱いに特に注意が必要です。
📚 文献研究(レビュー型)
原則的には倫理審査不要ですが、以下のケースでは注意:
- 自施設内で作成した非公開資料(看護記録・カンファレンス記録など)を使う場合
- 文献調査結果を現場の特定の看護師にフィードバックする/評価する場合
公開されていない資料を用いる場合は、施設内の許可・配慮が必要になることがあります。
💡 まとめて覚えるなら…
✔ 対象者に話を聞く(面接・アンケート)
✔ プライバシーに関わる情報を扱う
✔ 現場で“人”を観察する
→ これらのどれかに当てはまるときは、倫理的配慮 or 倫理審査が必要になる可能性が高いです。

なるほど。倫理的配慮が必要なものは、調査方法でしっかり区別されてなくて、何を調査するのかが決め手になることが多いんだね。
まとめ
調査方法は、「研究の土台」であり「研究の道筋そのもの」です。
どんな手法を選ぶかによって、得られるデータも、必要な準備も大きく変わります。
テーマが決まりかけたら、一度「どの方法が合っているか?」を考えるのがとても大切です。
調査方法がしっかり決まれば、倫理審査の準備や研究計画書の作成もスムーズになります☺️
焦らず、自分の目的にあった方法を選んで、研究の質をグッと上げちゃいましょう👍️✨️

良し!テーマ決め頑張るぞ〜🔥
🔖 参考にしたもの
- 看護大学の研究方法論講義資料
- 『看護研究のための質的研究入門』
- 『はじめての看護研究』シリーズ(医学書院)
- 日本看護協会「看護研究の倫理指針」(https://www.nurse.or.jp)
- 文部科学省・厚生労働省
- 「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(2021年改訂版)」
- 看護系大学・看護短大で使用されている研究方法論・倫理講義資料
- 『看護研究の進め方とまとめ方』第3版(照林社)
- 『質的研究を読み解くヒント』(南江堂)